筆者の本業(投資ファンド運営)的に気になるニュースが入ってきたのでメモしておく。
KPSキャピタルパートナーズがテーラーメイド、韓国の投資ファンド、セントロイド・インベストメント・パートナーズに売却とのこと。テイラーメードの2021年のEBITDAは、$133millionとのことなので、企業価値$1.7billionとすると買収マルチプルは12倍ということになる(2020年のEBITDAに対しては、15倍)2011年にフィラ・コリアが$1.3billionでアクシュネットを買収した案件を超える、ゴルフ器具メーカーのM&A案件としては過去最大となる。本案件に伴い、セントロイドはもともとは投資コンソーシアムを組もうと模索していたが、最終的にShinyoung証券経由で$900milの負債も調達した模様。他に、戦略的バイヤー含めた4社が興味を示していたが、セントロイドの提示価格が最高値となった模様。
テイラーメードは、創業1979年Gary Adamsにより創業。1984年にスキーメーカーのサロモンに売却。1997年にアディダスが$1.4billionでサロモンを買収。2017年にテイラーメードをカーブアウトする形でKPSが$425millionで買収した。KPSとしては企業価値ベースで、4倍弱程度で売り抜けたことになる。PE Hubによると、今回のKPSのエクィティ投資のリターンは、8.5倍となる模様。実に、うらやましい!
当方も、数年前からアイアンはテイラーメードのP790を愛用している。見かけはちょっとマッスルバックっぽいのに非常に打ちやすいので気に入っている。
セントロイドは、元マッコリ―のインベストメント・バンカーだったJeong Jinheok氏が2015年に立ち上げた投資ファンドである。セントロイド側のアドバイザーにはKPMG、ベイン、Caple Advisoryが関わり、KPS側は、モルガンスタンレーとアレン&COだったとのと。