かなり昔(2018年)の内容だが、ジョージガンカスのインタビュー内容が非常に参考になるので、以下にメモとして残しておく。以下が元の動画である。英語が得意な人は、このブログを読まずに、動画を見てもらうのがベター。本記事では、筆者の視点からエッセンスのみ抽出している。
GGスイングがブレークするに至った経緯は?
元PGAツアープレーヤーだったダニー・ワックスから薦められてインスタグラムをはじめたのが上手くいった。(なお、2011年頃までジョージガンカスのコーチについていたダニーワックスは、ツアーを引退し、現在ではForelinx Eliteという会社を起業している)。ジュニア・ゴルファーのコーチとして大成功していたので、きっとブレークするはずとのアドバイスだった。最初は、アンチも多かった(今も多いが)、それが結果として上手くいいった。
教え子は?
教え子には女子ドラコン選手のトロイ・ムリンズ、他にはソン・カンSungaKan、ダニーリー、アダムスコット等がいる。皆、ロングヒッターだ。
バランスポイントとは?
アダム・スコットのスイングは既に出来上がっているので、あまりやることはなかったが、自分がやったことはバランスポイントを調整するくらいだった。それにより、スイングの深さと、ダウンスイングでのローテーションが改善した。
多くのゴルファーがつま先荷重になっている。昔から背筋は伸ばせというのが定説だったが、特に身長のある選手は、背筋を伸ばしてしまうと、脇の後ろの部分がつま先の上まで来てしまうので、背は曲げた方がいい。逆に、LPGAの選手やローリーのように比較的身長が低い選手は、姿勢がよくても脇の下が母指球の上にくる(つまり誰もが背を曲げた方がいいということでは必ずしもない)。背が高いアダム・スコットは、脇の下がつま先に来てしまっており、インパクトで体が起き上がっていた。彼のスイングとしては既に完成していたのだが、その見栄えが彼自身として気に入らなかったので、そこを調整した。
多くのプレーヤーはトップでバランスをとろうと後ろにうごく、そこから起き上がりながらスイングしてしまう。上体が起き上がると、それだけボールにクラブをとどかせるために手を伸ばす動きが入る。そこから色々な問題がおきる。ダウンスイングで上半身が伸び上がってしまう人のほとんどがつま先加重になっている。上半身を伸ばさないパターンとしては、体を全くローテーションさせない打ち方になり、ダフリ、方向が安定しない等の問題がおきる(筆者が米国でプレーしていると、このパターンの純粋な手打ちのアマチュアプレイヤーは非常に多い)。
逆に、脇の下が、かかとよりになりすぎていて、ダウンスイングで前に倒れこみ、腰が突っ込んでそこから伸び上がるケースなどもある。バランスポイントがずれている選手は、手でスイングを調整する必要があるが、最初のバランスポイントを修正することでその問題の多くを解消できる、シャフトは自動的にシャローになり、ローテ―ションが効いたショットになる。
どこから足のアクション、そこからくるローテーションという考え方に到達したのか。
自分ももともとは、ダウンスイングで体が左に流れる「スライダー」だった。今でもそのクセはある。そのスライドをなくすために何でも試した。マック・オー・グレイディーの左膝を回す動きや、サムスニードの両脚が外旋するスクワットの動きを参考に試行錯誤した。
スライドするといいゴルフができないということでは決してない。クラブが立って、スイングが鋭角になったり、クラブフェース・コントロールが難しくなったり、イン・アウトのスイングになったりなど問題は出てくるが、それでもいいゴルフはプレーできる。スライダーでもいいゴルフができている例はいくらでもある。
自分のメソッドでポイントなるのは、インパクトに向けて前足荷重にするために左の骨盤を下げること、それを実現するための左ひざを曲げた状態で外旋させるという動き。同時に、もし上半身をそのまま何もしなければ上半身が前方に傾くところを右の側屈をいれることでバランスを取るという動きで中心を維持するという動きになる。
ドラコンのジェイミ―・サドラウスキ―の動きを参考にした。ジェイミ―のスイングには体の左右のリニアな動きが少なく、スピードを生み出すことができている。スイング・スピードのモデルである。その他でコピーしようとしたモデルとしては、初期のローリー・マキロイ、彼も最初はスクワットの動きをしていた。タイガーも参考にした。
自分のスイングにマッチした考え方も重要
例えば、バックスイングで頭が右に動く選手も少なくないが、その場合、そこからスクアットしてもボールに届かない。そのような選手は、大概スライドしてしまう。バンプ・スライドのうごきは、結果として左骨盤が上がってしまう動きとなる。スライドしてインパクト前に既に足が伸びた状態となり、後ろ足でインパクトで押し込む力を失ってしまう。頭を動かししまう選手は、最初に上半身が左方向にドリフトする動きが入れば、スクワットの動きが可能となる。自分の教え子の中には、実際にそれができている選手もいるが、難易度が高いうごきである。
バックスイングで頭を右に動かさないやり方で、その場で回転するやり方の方が簡単。最初から右側にスペースを作れたば、そのまま座り込んで回転すればよいだけとなり、より簡単。
最初に右ひざを回し左骨盤を下げる動きを入れる、その際に右足の内旋やプッシュの動きを抑えて、て同時に前屈・右側屈も入ることで地面を掴める。その体制から、地面反力を利用してローテションを続けることが可能となる。最初からプッシュしてしまうと、地面からのレバレッジを失うが、座り込んでエネルギーを維持することで、インパクトを通してそのエネルギーを解き放つことが可能となる。間違えないでほしいのは、自分のスイングでも地面を蹴る動き、インパクトので押すうごぎは入る。そのタイミングがスライドプレーヤーとことなるだけ、という点は要注意。
自分の教え子のほとんどがバックスイングで右ひざの角度が少ないのはこのエネルギーをダウンスイングで作り出すため。ゴルフは上に向けった打ち出すスポーツではなく、あくまで下に向かって打ち込むスポーツであることを忘れてはいけない。やり投げように上に向かってものを投げるスポーツであれば、左骨盤を右側より高くなるが、ゴルフは下に向かって打ち込むスポーツなので左骨盤を下げる必要がある。
自分のやり方でその場でピボットする方法であれば、スクアットして左手は回転に巻き込む動きをするだけで自動的にシャローになる。特に意識してシャローの形を作る必要はない。
過去においてスイングは、最初にラテラルに動いてそこから回転する、というものだった。それが自分のやり方ではその場で座り込んで回転するというもの。結果として、シャフトが自動的にシャローになってくれる。もしスライドしてからシャローにする場合は手でクラブを無理矢理操作する動きが必要となる。ゴルフスイングにおいて、最終的に必要となるのは、クラブをシャローにセットして体を回転させるだけなのだが、それを自動的にするのがGGスイングメソッド。スイングを簡単なものにしてくれる。
左腕を巻き込む動きについて
自分は、カラずしも絶対にそうなければならないというわけではないが、スイングスピードを最大化する構えとして、トップで上腕部を地面と平行に、前腕部を背骨と平行にするようにすすめている。
そこからダウンスイングに入る際の、プレッシャーポイントはグリップ・手ではなく、左上腕部と左胸の部分で感じるようする。そうすることでクラブが勝手に寝る。右肩は勝手に外旋し、左上腕部が内旋する。ボールを手で投げるときに、右肩の外旋を意図的に行うのではなく、胸を回してそれで勢いを作るのと同じイメージ。ゴルファーが陥りがちな間違いは、名プレイヤーのスイングのP1-P7の各ポジションをの静止画像で見て、それこの合わせようとするのが問題。
結論
過去のグレート・ゴルファーは例外なく、ダウンスイングはシャローで、ボディーローテーションができており、インパクトでは前足荷重でボールをつぶすことができている。自分の方法はその状態に体を持っていくまでの考え方・やり方が今まで教えられてきた内容とことなるだけ。GGのスイングの教え方はこれまでと違うが、グレートプレーヤーが例外なく実践したきた動きを実践するアプローチをよりシンプルにしたものだる、といえる